装備は命綱～経験者こそ油断しない～
那須岳は、四季折々の美しい表情を持つ魅力的な山ですが、活火山であることや、標高差による急激な天候変化、岩場や残雪など、特有の環境があります。
安全で快適な登山のためには、適切な装備の準備が何よりも重要です。
ここでは、那須岳登山に必須の装備と、それぞれの注意点、さらに万が一に備える保険について解説します。
登山基本装備：これだけは必ず揃えよう
季節やルートに関わらず、登山に必ず携行すべき基本的な装備です。
登山靴：足元から安全を確保
特徴・選び方
足首を保護するミドルカット以上で、防水性があり、ソールのグリップ力が高いものを選びましょう。
那須岳は岩場やガレ場もあるため、靴底が硬めで安定性のあるものがおすすめです。
注意点
新しい靴をいきなり本番で使うのは避け、事前に履き慣らして足に合うか確認してください。靴擦れ対策も忘れずに。
レインウェア（上下セパレート型）
山の天気は変わりやすい
特徴・選び方
防水性・透湿性に優れた素材（ゴアテックスなど）の上下セパレート型が必須です。
急な雨だけでなく、防風着としても非常に役立ちます。
注意点
ポンチョ型は風にあおられやすく、行動の妨げになるため不向きです。
必ず上下セットで携行しましょう。
その他の必須装備（タップで展開）
バックパック（ザック）：荷物を効率よく運ぶ
特徴・選び方
日帰り登山であれば20L〜30L程度が目安です。
体にフィットし、肩や腰で荷重を分散できるものが良いでしょう。レインカバー付きか、別途用意しましょう。
注意点
荷物の詰め方にも工夫が必要です。
重いものは背中側に、使用頻度の高いものは取り出しやすい場所に収納しましょう。
防寒着・行動着：レイヤリングで温度調節
特徴・選び方
ベースレイヤー（肌着）: 速乾性・吸湿性の高い化学繊維やウール素材。
綿素材は汗で濡れると乾きにくく、体温を奪うため避けましょう。
ミドルレイヤー（中間着）: フリースや薄手のダウンなど、保温性のあるもの。
気温や行動強度に合わせて調整できるよう複数枚用意すると良いでしょう。
アウターレイヤー: レインウェアが防風・防水を兼ねますが、別途薄手のウィンドシェルなどがあると便利です。
注意点
「重ね着（レイヤリング）」が基本です。
暑ければ脱ぎ、寒ければ着ることで、常に快適な体温を維持できます。
ヘッドライト：必須の安全装備
特徴・選び方
予備電池と合わせて必ず携行しましょう。
日帰りでも、下山が遅れたり、道迷いなどで暗くなる可能性を考慮します。
注意点
スマートフォンのライトは緊急用と考え、必ず専用のヘッドライトを用意してください。
地図・コンパス・GPS：道迷い防止の三種の神器
特徴・選び方
紙の地図: 国土地理院の地形図や、登山用地図（山と高原地図など）を必ず携行しましょう。
雨に濡れても大丈夫なように防水加工されたものがおすすめです。
コンパス: 地図と合わせて現在地を確認したり、進む方向を定めたりするのに使います。
GPS機能付き登山アプリ: スマートフォンにオフラインでも使える登山アプリ（例: YAMAP, ヤマレコなど）をインストールし、事前に那須岳の地図をダウンロードしておきましょう。
充電切れに備え、モバイルバッテリーも忘れずに。
注意点
電子機器はバッテリー切れや故障のリスクがあります。
必ず紙の地図とコンパスも携行し、使い方を習熟しておきましょう。
救急セット：もしもの時の備え
内容例
絆創膏、消毒液、ガーゼ、テーピング、痛み止め、常備薬、虫刺され薬、ポイズンリムーバーなど。
注意点
応急処置ができるよう、基本的な使い方を把握しておきましょう。
食料・飲料：行動のエネルギー源
内容例
行動食（おにぎり、パン、チョコレート、ゼリー飲料など）、非常食（カロリーメイト、羊羹など）、十分な水。
注意点
消費量には個人差があります。
計画に合わせた量より少し多めに用意しましょう。
その他：あると便利なもの
🧤 手袋（軍手や防寒用）… 岩場や冷え対策に。
🧢 帽子（日差し・防寒対策）… 夏は熱中症防止、冬は体温保持に。
🕶️ サングラス… 雪面や稜線の紫外線対策に。
🧴 日焼け止め… 曇りでも紫外線は強い。
🧻 携帯トイレ・ゴミ袋… 下山までのエチケットに。
📱 携帯電話（充電済み）・ホイッスル… 緊急時の連絡・合図に。
那須岳特有・季節特有の装備と注意点
那須岳の環境や季節に応じて、特に重要となる装備と注意点です。
⛑ヘルメット：活火山・岩場での安全確保
なぜ必要？
那須岳は活火山であり、噴火による噴石のリスクが常に存在します。
また、茶臼岳や朝日岳などの岩場では落石のリスク、さらには転倒・滑落時の頭部保護のためにも非常に有効です。
特に着用が推奨されるエリアと状況
茶臼岳山頂付近と火口周辺: 火山性ガス噴出に加え、噴火による噴石、風による小石の飛来のリスク。
峰の茶屋跡から朝日岳・三本槍岳方面の岩稜帯: 岩場やガレ場が連続するため、落石や転倒・滑落時の頭部保護。
冬季・残雪期の登山道全般: 凍結による滑落、雪解けによる落石・浮石の増加、落氷などの危険性が高まるため。
注意点
必ず登山用の軽量で通気性の良いものを選びましょう。
アイゼン・チェーンスパイク：冬季・残雪期の必須装備
特徴・選び方
冬季はもちろん、春先の残雪期でも凍結箇所や雪渓を通過する際に必須です。
ルートや積雪状況に応じて、軽アイゼン（4〜6本爪）やチェーンスパイクを選びましょう。
注意点
装着方法を事前に練習し、現地でスムーズに使えるようにしておきましょう。
ピッケルも併せて携行し、使い方を習熟することが重要です。
防風グローブ・オーバーミトン：稜線の強風対策
特徴・選び方
那須岳の稜線は非常に風が強く、指先から体温が奪われやすいです。
防風性・保温性の高い手袋や、その上から装着するオーバーミトンを用意しましょう。
注意点
濡れると保温性が低下するため、予備のグローブも携行すると安心です。
スパッツ（ゲイター）：泥や雪の侵入防止
特徴・選び方
登山靴とズボンの隙間から泥や小石、雪が入るのを防ぎます。
防水性の高いものを選びましょう。
注意点
特に雨天時や残雪期には重宝します。
万が一に備える
登山者の“見つけてもらう力”
登山で最も重要なのは「いかに早く発見されるか」。
その備えとして有効なのが、位置情報発信サービス「ココヘリ」です。
ココヘリ（COCOHELI）
遭難時の「見つけてもらう力」を備える、位置情報発信サービスです。
専用の発信機（ビーコン）を携帯することで、遭難時にヘリや地上から位置を特定。
発見までの時間を大幅に短縮できる仕組みです。
年会費制の会員サービスで、登山者一人ひとりに発信機を貸与。
警察・消防・山岳救助隊と連携し、迅速な捜索をサポートします。
（ココヘリ正規代理店：当サイトでは入会サポートも行っています）
🔗 公式サイト（cocoheli.com）
通常入会金：3,300円(税込)のところ
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＼ 入会金：2,200円(税込) ／
※ このリンクはPRを含みます。サービスの詳細・注意事項は必ず公式サイトでご確認ください。
登山保険：経済的リスクにも備えよう
万が一の救助費用やケガの治療費には、登山保険が役立ちます。
活動頻度や登山スタイルに合わせて選びましょう。
- 高額な捜索・救助費用への備え
山岳遭難では、捜索・救助に数百万円もの費用がかかる場合があります。保険に加入していれば、その費用をカバーできます。 - 治療費の補償
登山中のケガによる治療費や入院費を補償します。 - 携行品損害の補償
カメラやスマートフォン、ザックなどの破損・盗難も補償対象となる場合があります。
- 補償内容
遭難時の捜索・救助費用、ケガや病気の治療費用、携行品の損害など、必要な補償が含まれているかを確認しましょう。 - 期間
日帰り登山から年間契約まで、登山の頻度やスタイルに合わせて選べます。 - 特約
山岳活動に特化したプランや、ロッククライミングなど特定のアクティビティを対象とする特約がある場合もあります。ご自身の登山形態に合ったものを選ぶことが大切です。
会員制
| 名称 | 内容概要 | リンク |
|---|---|---|
| 日山協山岳共済会 | 共済会への会員登録が前提。 保険のみの加入は不可。 登山・トレイルランニング向けの年度契約型。遭難捜索費用・傷害補償などをカバー。 | 公式サイト |
| 労山山岳事故対策基金 （労山基金） | 労山会員が前提。日本勤労者山岳連盟（労山）が運営する互助制度。 1口1,000円単位で登録。傷害・死亡・捜索費用の補填を行う。 | 公式サイト |
長期保険
| 名称 | 内容概要 | リンク |
|---|---|---|
| モンベル山岳保険 | 登山・アウトドア活動向けの年間契約型。遭難捜索費用、傷害補償、賠償責任などをカバー。 ※ 1泊2日から加入できる短期タイプ「山行保険」もあり。 | 公式サイト |
短期保険
| 名称 | 内容概要 | リンク |
|---|---|---|
| モンベル山行保険 | 1泊2日〜7日間など、登山行ごとに加入できる短期型。 遭難捜索費用・傷害補償などをカバー。 前日までWeb申込が可能。 | 公式サイト |
| ABC少額短期保険 （レスキュー費用保険） | 遭難救助費用に特化した少額短期保険。 日帰り登山やハイキングでも加入でき、最大300万円程度までの捜索・救助費を補償。 | 公式サイト |
捜索支援制度
| 名称 | 内容概要 | リンク |
|---|---|---|
| jRO （日本山岳救助機構） | 保険ではなく会員制の捜索支援制度。 会員登録により、遭難時の捜索・救助費用をjROが一部負担。 年間会費制で、日帰りから縦走登山まで幅広く対応。 | 公式サイト |
装備チェックリスト（登山前最終確認用）
出発前に、以下のリストを使って装備の漏れがないか最終確認しましょう。
□ 登山靴（履き慣らしたか）
□ レインウェア上下
□ バックパック（レインカバー含む）
□ 防寒着・行動着（レイヤリングで調整できるか）
□ ヘッドライト（予備電池含む）
□ 紙の地図・コンパス
□ GPS機能付き登山アプリ（オフラインマップDL済み、モバイルバッテリー含む）
□ 救急セット
□ 食料・飲料（予備含む）
□ 手袋・帽子・サングラス・日焼け止め
□ 携帯トイレ・ゴミ袋
□ ヘルメット（推奨：特に上記エリアや冬季）
□ アイゼン・チェーンスパイク（必要に応じて）
□ スパッツ（必要に応じて）
□ 登山保険加入済みか
□ その他：タオル・ホイッスル・充電済み携帯電話 など
那須岳 登山装備チェックリスト
（タップして開く）
□ 登山靴（履き慣らしたか）
□ レインウェア上下
□ バックパック（レインカバー含む）
□ 防寒着・行動着（レイヤリングで調整できるか）
□ ヘッドライト（予備電池含む）
□ 紙の地図・コンパス
□ GPS機能付き登山アプリ（オフラインマップDL済み、モバイルバッテリー含む）
□ 救急セット
□ 食料・飲料（予備含む）
□ 手袋・帽子・サングラス・日焼け止め
□ 携帯トイレ・ゴミ袋
□ ヘルメット（推奨：特に上記エリアや冬季）
□ アイゼン・チェーンスパイク（必要に応じて）
□ スパッツ（必要に応じて）
□ 登山保険加入済みか
□ その他：タオル・ホイッスル・充電済み携帯電話 など
那須岳登山前に、装備の最終確認をしましょう。
オフラインでも使えるよう、PDF版をご用意しています。